【名古屋散歩】いざ初めての古書即売会!(名古屋古書会館)

電子書籍にお世話になりつつ、紙の本を手放せない理由は多々あるのですが、そのひとつが偶然性の高さ。

好きな作家の本を網羅するのも楽しいけれど、新しい作家や分野にも出会いたい! 電子書籍はその点ちょっと部が悪い。おすすめ機能はもちろん便利なんだけど、傾向の似通った本ばかりを読みたいわけじゃないんだー(もしかしたらもうすでにあるのかもだけど、VR書店・VR本棚、なんてものがあったらなーなんて思う今日この頃)。

書店や図書館に出向くと、もう目に入ることごとくが未知の知識・物語な訳でして、否応なく目尻が垂れ下がるわけなのですが、古書店・古本祭といった古本を扱う場所にはまた違った興奮があります。

なんでしょうね、あの楽しさは。比較的出版年の新しい本は、知らないとはいってもある程度「こういうジャンルだな」「きっとこういう話なんだろうな」と検討のつけようがあるんですけど、古本の山に囲まれると目に入るものことごとくが未知! 「なんじゃこりゃ???」の連続で頭に相当負荷がかかるんですけど、それがまた他では味わえない感覚でして。一種のアトラクションとして楽しんでいます。

そんな楽しい古書の世界の一旦を覗いてきた模様をお届けです。

いざ古書会館へ!

五月某日。栄からレンタサイクル・でらチャリを走らせること約10分。

古書即売会なるものが行われていると噂の「名古屋古書会館」に到着! 幟が立っているのがお祭り感があっていいですね。

駐輪場がなかったのは誤算でしたが、邪魔にならないようなところに停めて、いざー! と出入り口へ近づいたのですが……

あまりのひと気のなさに心が挫けそうに。か、帰ろっかな……。

おそらく開始時間すぐという時間帯なのもあって、私の前に入っていったのは年配の男性一人きり。階上から賑やかな声が振ってくるということもなく……人見知りにはハードルが高いよ!

しかしここまできたのだ、排他的な感じだったら尻尾を巻いて即座に帰ろう! と自分を叱咤。おそるおそる階段を登りました。

こ、これが古書即売会……!

会場内は撮影が禁止されてたので、がんばってイラストに起こしてみました! 会場はざっくりこんな感じ。

単行本がピッタリハマるサイズの木箱を重ねて作った即席の棚がずらーっと並んでいました。さながら小さな本屋さん。BGMがラジオなのもよいです。

ラインナップは小説から専門書まで何でもござれ。さらにはどこかの学校の卒業アルバムやら、ポストカードやポスター、おもちゃもあれば、時刻表なんかもあったり。どれもこれもが時間を超えてきた貫禄を醸し出し、古い紙の匂いを漂わせています。……じょ、情報量が半端ない!

会場入ってすぐの頃は、私以外のお客は年配の男性が10人ほど。ちょっと場違いかなーと思いつつ本を見ていると、段々と人が増え、若い人や女性もちらほら見えてきました。一安心。

京都の古本祭でも思ったことなのですが、古書に相対してる人って独特の雰囲気があります。

本以外のことが眼中にない、とでもいいましょうか。老若男女に関わらず、みんながみんな同じ角度で俯いて、真剣に本を選別しています。静かなのに熱い。私もあれの一員だと思うと、ちょっと恥ずかしいやら、誇らしいやらですね。

会場をゆっくり二周して、こんな本があるのか! と驚いたりしつつ、戦利品を厳選。滞在時間は1時間ほどでした。あんまり多すぎても疲れるので、丁度いい規模感でした。大変楽しかった!

戦利品紹介

今回の即売会ではエッセイと雑誌を1冊ずつ購入。

佐多稲子随筆集『ひとり歩き』(300円)、『爽快!東海のハイキング2021-2022』(100円)。それぞれ転蓬、キヨ書店というお店の商品っぽいです。

随筆集の方は、木箱の天板の上に立てて置かれていました。ほとんど一目惚れ。ぱっと見た感じ、好みの文体だったので購入を決意。自分の知識だけでは絶対に辿り着けない本との出会い、という古本市の醍醐味を堪能できて、ほくほく気分での帰宅とあいなりました。

古書会館での即売会はほぼ毎月行われているようです。ちょうど今週末も開催されるらしいので、ちょっと覗いてみようかなーと計画中。名古屋暮らしでの楽しみがまた増えました。本好きの方はぜひ一度出かけてみてくだされー。

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