【脱・完璧主義?】ポモドーロ・テクニックの思わぬ効能

突然ですが、私には完璧主義なところがある。

中途半端な成果ではだめだ、最後までやりきらねばと根をつめるうち、ただでさえ小さいキャパが飽和。おまけに一度体を壊して以来、体力・気力も平均以下に落ちこんでいるものだから、疲れ切ってしまうとなかなか回復しない……困る。ひじょーに困る。

そして何より、困っているのにやめられないのがまた困る。どうしたものかーと長年うっすら悩んでいたのでありますが、先日はたと気づいたのです──完璧主義、マシになってないか?

自分用の記録もかねて、完璧主義な傾向がどうやって和らいできたか書き記してみる。

ポモドーロ・テクニックを知る

時を遡ること、5年ほど前。

当時のかならくんは『数時間作業に没頭できる日(過覚醒状態になり、夜はなかなか寝つけず、あとから疲れがドッとくる)』と『複雑な作業が何もできない日(ひどい場合は一日横になって過ごす)』を繰り返していた。

作業ができる日の充実感は深いものの、ダメージを数日引きずるために先の見通しがたたない……。何より心身にかかる負荷を、ただただ横になってやり過ごす時間が耐えがたかった。

そんな時に知ったのが『ポモドーロ・テクニック』。

こちらは、作業25分・休憩5分のワンセットを繰り返すことで集中を維持できる! というライフハック(詳しいやり方を知りたい方はネットで検索してみてくだされ)でありまして。

私はこれを好きな作家さんのツイートで知りました。集中云々というのはともかく、完全にミーハーな気持ちでスマホのタイマー機能をいそいそとオンにしてみたのですが……

『終わらせる』という苦行

これがまあー、辛い!

休憩をとらずに作業することが多かった当時の私(なんてアホなんだ)。たった25分で集中を切る、というのが、茶碗についたご飯粒をあえてそのまま残すような気持ちの悪さで……。

休憩の5分も帯に短し襷に流し、といった具合の時間で、どうにも持て余す。

それでもミーハー気質は粘り強かった。これをやるだけであの作家さんと同じになれる! と思っていたわけではないけれど(いや、思ってたかもしれないけれども)、こう、ちょっとでも憧れの人に近づけるならーという気持ちで挫けながらもポモドーロ・テクニックをその後も試し続けた。

これもいわゆる完璧主義なのかもですね、あはは。

変化の兆し

それからどれくらい経った時のことだったか。

ポモドーロ・テクニックに意地で齧りつき、「くーー! やめてやる! やめればいいんでしょ!?」ってな感じの態度でタイマーをストップさせていた当初の私はどこへやら。

予定時間にスンと作業を中断することはまだまだ難しいものの、「あー、時間過ぎてる。じゃあここまでにしとくか」とすんなり止めることができるようになった。

意思が強くなったわけではなく、完全に慣れです。ジョギングの距離を少しずつ伸ばしていくかのごとく、徐々に徐々に、作業と休憩の間のコントラストが滑らかになっていきました。

そしてこれには思わぬ副産物が。

こ、これが疲労…!?

なんと疲れを感じられるようになったのです!

……何言ってんだって感じですよね。だけれど当時は本当に、こ、これが疲れるということ!? 、噂って本当だったんだ! と都市伝説を目の当たりにしたように驚きました。

一日の作業時間の合計が2時間を超える頃になると、ドッと疲れが押しよせる。そのため、「休まずにやるぞー!」なんていう以前のような馬鹿な真似はできなくなりました。

ポモドーロを導入する以前に作業に何時間も没頭できていたのは、ただただ疲れを感じる機能がバグっていたせいだったということが判明したわけです……。

かならくんは火事場の馬鹿力的リミッター解除システムを普段使いしていたんですねー、あはははは。……そりゃあ後から動けなくなるわけだよ。

自分の弱点を把握する

おそらくは多くの人が無意識におこなっているであろう、『作業する→疲れる→休憩する』というサイクルが、自分はどうやらバグっているらしい、という自覚は私の生活を大きく変えました。

一見疲れていないように思えても、「〜時間活動したのだから、もしかすると自分はけっこう疲れているのかも」と考えることで後々のダメージを抑えられる場面が多々あります。

活動時間を目安に「念のため横になっとくかー」と軽い気持ちで横になって初めて、ずずーんと体が重くなることも少なくない。

疲れを感じにくい体質の人は活動時間を目安に休憩スケジュールを組むのもありかもしれません(休むことに不慣れなうちは、心の葛藤との鍔迫り合いが大変ではありますが)。

凝り性気質と自己評価に変化が

それから幾年が過ぎ、現在。

ポモドーロなんてかったるいことやってられっか! てな感じに離れた時期もあったりしましたが、結局は時間で区切りながらの作業がなんだかんだ自分には合っているなと今は感じています。

そして、ポモドーロ・テクニックを数年単位で続ける中で感じた変化は以下の二つ。

ひとつは作業時間を把握することで、「この作業に〜時間はかけすぎだなー」と凝り性に歯止めが効くようになったこと。

文章にしろイラストにしろ、やりたいことはたくさんあるのだけれど、全部やってたらいつまで経っても終わらない、ということが少しずつわかってきました。

ここまでだ、と作業を無理矢理に締めるのは、はじめは手を抜くようで辛かったのですが、なんでも慣れですね。罪悪感や劣等感は今では昔ほど感じません。

ふたつめは、自己評価の基準の変化。

以前までは「自分の理想を達成できたら◯、それ以外は論外」という厳しい評価基準でした。我ながらなかなか偏った価値観だ……。

今はといえば、「1日に25分を〜セット繰り返せたんだ! すごい!」ってな感じです。例えセット回数が少なかったとしても、その日はあまり心身の調子よくなかったのに作業できたってことなので、よくがんばったなーってなります。

現在のかならくん、以前とはまるで別人です。

脱・完璧主義!とはいかないけれど

ちょうど先月、タイマーを買いました。タイマー機能と時刻表示機能を切り替えられるシンプルなもの(消音モード付き)。

それというのも、ポモドーロを実践するにあたってスマホのタイマーアプリは使い勝手が少々悪い。休憩中にスマホを触ってタイマーアプリを閉じてしまうと、作業を再開した時にタイマーセットを忘れることが多々ありました。

スマホのアプリで済むものにわざわざお金かけるのもあれかなーとタイマー購入を長らく渋っていたのだけれど、結果買ってよかったです。目覚まし時計を思わせる、無骨なアラーム音を聞くと、作業したった感が強いのもよいです。

今では作業時以外にも、ついつい熱中しがちなゲームの時にもタイマーをかけます。これがすごく助かる。

以上、ポモドーロが脱・完璧主義と疲労管理に一役買ったよーってお話でした。

「完璧主義をどうにかしたいけど、どうしたらええんじゃ〜」って方いらっしゃったら、一緒になんとかぼちぼちやってきましょー。抜け道はあるはずだーー。

本日のお隣本

  • 中島美鈴『自信がもてないあなたのための8つの認知行動療法レッスン』
    完璧主義や強い自己否定など、偏った行動パターンや思考傾向に悩んでいる人におすすめです。一日数分〜二十分前後で終わる簡単なワークを繰り返すことで、偏り具合を緩めていけるワークブック。同じ作者さんのもっとライトな著書もあったりするので、気になる人は調べてみてくだされ〜。
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