【岐阜】目が楽しい、おばあちゃん市山岡・小里川ダムに行ってきた!
桜の見ごろを迎えた3月某日、友人が「ダムが見たい」と言った。
「いいね!」
一も二もなく賛成する。私はとかく水辺が好きなのだ。コンクリートの塊も大好きだ。
「ついでに道の駅にも行きたい」ということで、当たりをつけた場所はどうやら岐阜の山奥にあるらしい。名古屋から東へ車で2時間、異様にうねる山道(谷底への墜落防止のため、ガードレールが二重になっている……)を抜けてたどり着いたのは、ミニチュアみたいに、キュッ! と縮尺を縮めたような、なんとも可愛らしいダムだった。
いざ、行かん、おばあちゃん市!
たまらなくかっこいい、小里川ダム
侮れないうまさ!五平餅
景色が生きてる
記憶の中にあるダムは、なんだかぼんやりしている。なにせ、ダムは大きい。全体像をつかむのが難しいのだ。
山の中に突如として現れる水門を見上げる、もしくは横を車で通り過ぎながら「へー、こんなところにダムがあるんだね」なんて呟く。それが私の思うダムの楽しみ方。今回も当然そうなるものだと思っていたのだけれど。
随分驚いた。おばあちゃん市山岡を視認してから駐車場に車を止めるまでの間、車の助手席で「わー!」やら「えーー!!」やら、ひとしきりはしゃいだ記憶がある。
前情報で巨大な水車があることだけは知っていて、それを見にきた、くらいな気持ちでいたのだけれど、水車は水車で予想の倍くらいデカいし、それより何より景観設計が好みすぎて、「えー! ……えーー!!」と、車を降りてからも感嘆符は手放さなかった。写真しこたま撮った(ブログ用に厳選するの大変だった)。
ダムを建てる! 道の駅を立てる! っていう人間側の都合と周囲の景観が、水彩絵の具の色と色の間を馴染ませるかのごとく無理なく調和し合っていて、山並みから人工物、人工物から山並みへと目線を動かしても、視界が自然に流れる。楽しっ……。
建築を学んだわけじゃないので専門的なことは全然わからんのですが、ちゃんと考えて設計されてんだろうなー。簡単に調べてみたところ、どうやら板垣建設株式会社というところが建設してるっぽいです。設計士さんの名前知りてー。この人がデザインした場所ほかにもあるなら見に行きてー。
あいにくの小雨で残念だねーなんて言ってたんですが、霧かがり、緑を深くした山々を堪能できて、むしろよかったまでありました。有機的な景観デザイン好きな人はぜひ行ってみてください! 五平餅もうまいよ!
本日の勝手に関連本
- 辻村深月『水底フェスタ』
私の中のダム小説といえばこれ! ダム建設で潤い、夏フェスに湧く片田舎で繰り広げられる物語。随分前に読んだので記憶が朧げですが(私の記憶力は雑魚)、ダムの水面の色と濁りが似合いのダークな雰囲気の虜になった覚えがあります。 - 梨木香歩『水辺にて』
カヤックを趣味とする作者の水辺にまつわるエッセイ本。ダム湖にて、かつてそこに住まっていたはずの子どもたちの姿を幻視するシーンが印象深い。小里川ダムの底にも歴史や生命が息づいていて、水面に近づけば、また違った印象になるのだろう。 - WEBサイト『いつも空が見えるから』 「時間感覚の障害」としてのADHD─時の流れを歪ませるのはドーパミンだった?
本じゃなくてWEBサイトなのだけど、ここの中盤で述べられてる、「都市環境は『刺激が強いが単調』、自然環境は『刺激が弱いが多様」という話を思い出したので。私は断然後者が好き。おばあちゃん市山岡も小里川ダムも人工物なのに、情報量は豊かだった。不思議だ。
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